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EIPM、EIPMセンター、活動理念
EIPM(Evidence-Informed Policy Making)とは
人口減少や少子高齢化による社会を支える人材の減少、財源基盤の脆弱化、気候変動、生活変容に伴う価値観の多様化など、日本と世界は構造的な変化の時期を迎えています。
災害、環境・国土形成、健康等の様々な社会課題では、立場や価値によって多様な政策目標があり、それらの間にトレードオフが生じるため、科学的厳密性、再現可能性、効果を重視し、単一の政策目標の達成を目指す「エビデンスに基づく政策形成(evidence-based policy making: EBPM)」のアプローチでは十分に対応できません。
今まさに直面している、あるいは今後直面する構造的変化に伴う社会課題に迅速に対応するには、学際的で分野を超えた総合知を持って関係者と協働し、多面的な価値観を考慮し、トレードオフを解消する科学技術とプロセス(「エビデンスを踏まえた政策形成;evidence-informed policy making: EIPM」)が緊急に必要です。
柔軟性、包括性、プロセスを重視し、複数の政策目標への効果を、質的データも用いて多面的に計測し、政策形成のプロセスに資するEIPMに関しては、OECDやWHO等の国際機関では一般的になり、その重要性は国際的に認知されつつありますが、我が国では進んでいないのが現状であり、迅速な課題解決が困難な状況にあります。
法律・規則改正・ソフトローの作成・通知方法の工夫等の政策形成を通じて科学的知見を社会に実装することは、今大学に求められる重大で早急に取り組むべき責務でもあります。
EIPMセンターとは
EIPMセンターは、大阪大学にある各分野のエビデンス提供やその質評価、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の側面を考慮した政策形成と協働に関する知を集約し、EIPM研究の推進と潜在的な社会実装力を解き放つために2025年6月1日に設立された新たな研究組織です。
活動理念:
価値観の多様性を踏まえ、政策目標間のトレードオフを解消する
EIPMセンターは、学際的で分野を超えた総合知を持って関係者と協働し、多面的な価値観を考慮しながらトレードオフを解消する科学技術とプロセスを提供します。
多様な社会課題を扱い、立場や価値観によって異なる複数の目標が存在することを認識し、課題解決に資する科学の深化と知見の実装を行います。
EIPMを実践するために、研究開発戦略の立案とともに3つの個別領域の研究を推進します。
エビデンス生成部門
新規社会課題に関する科学的エビデンスの提供、蓄積を行います。
エビデンス実装部門
市民・NPO・企業・行政との協働による公共政策の実装を行います。
多元ガバナンス部門
エビデンスの質評価、学内外諸機関との橋渡し、新規社会課題に対する多様な価値観の体系的分析を行います。